yocoshicaのブログ

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推しグループの初ナゴヤドームライブまでをなぜか毎日カウントダウンしているブログでした

「諦めが悪い男たち」の感想メモ

入院ひまだ~~~!!ひますぎて病室のベッドで持ち込んだPCを立ち上げるに至りました。こんにちは〜〜〜〜おひさしぶりです〜〜〜〜

 

よく晴れた4月の土曜、人もあんまりいない田舎にも関わらず病棟から出られないこの悲しい状況を逆手に取り、今更ですが(このブログはいつも今更のことを書いています)3月に池袋サンシャイン劇場で上演された舞台、「ボイメンステージ 諦めが悪い男たち~NEVER SAY NEVER 」を見た感想などをメモっておこうかなと思います。キャストさんごとの感想とか、このシーンがあーだとかこーだとかはTwitterで書き散らしたのでほとんど無いです!作品について思ったり考えたりしたことをだらだら書くメモです!!

 

===

 

新型コロナの影響で初日の幕が開くかどうかも危ぶまれたこの舞台。幕、開きましたね~~。 幸いにして千秋楽から2週間経った今も事務所様から感染等の報告は出ていないので、なんやかんやすこしホッとしています。

自衛しながら見に行かれた方も、大人の決断力をもって自粛された方も、自分の目に見える範囲のことしかわかりませんが、ひとまずは無事に春を迎えられそうで良かったです。今ウイルスとたたかわれている方とこの社会が、一日も早く安寧を取り戻すことを願っています。

 


 

さてさてさてこの公演。REDとBLUEの2チームにキャストが分けられておりまして(一部メンバーは両方出演)、当初はREDチームが8公演・BLUEチームが7公演・企画公演が2公演の全17公演の予定でした。しかしながら千秋楽を含むBLUE4公演が中止になり、最終的には13公演+無観客のライブ放送にて1公演が上演されました。

キャストは、ボイメンと後輩グループの皆様。客演も友情出演もない、純粋に事務所のタレントさんだけで作られたミュージカルだったので、舞台として見ると「不慣れな人たちの作る演劇」になっていたと思います。そりゃもう事実なのでね!そういうものとして見ていたのですが。 

「諦めが悪い男たち」という話のストーリーがかなり現実とリンクしていて、それはあえて寄せたところと、状況柄意図せず寄ってしまったところとがあって、色々と絡み合って見てるこっちの感情もあっちゃこっちゃになったので、一旦落ち着いて整理しておこうと思ってこのブログを書き始めた次第です。

 

 

お話の構造について

ステージナタリーさんのツイートにも「どんよりした雰囲気を払拭し笑い届ける」とあるように、雰囲気も明るく、歌ありダンスあり(ミュージカルだからね)、笑いどころも多くて楽しさとパワー溢れるエンタメ舞台でした。しかしながら、こうやって改めてブログで話を追って書いていこうとするとなかなかに複雑なお話だった!

あらすじはこんな感じ。

かつて絶大な人気を誇っていたアイドルグループ『グローリーズ』いつしかその人気は衰え、後輩の若手グループ『キラキラ☆ジェネレーション』と立場が逆転。

こうしてビミョーな関係となった2つのグループが、ロックミュージカルで初共演! スキャンダル発覚で大物女優が失踪!代わりの新人女優は問題だらけ!逃げ出す男に、謎の飛び入り男!無茶ぶりの演出!ついには、公演中止の危機!そんな中、アイドルを辞めるよう説得にくる弟。

「兄さん、いつまでこんなことやってるの?」

果たして『グローリーズ』と『キラキラ☆ジェネレーション』は、舞台を成功に導くことができるのか?

諦めが悪い男たちによる、壮大な “悪あがき舞台公演” が今、幕を開ける!

オフィシャルサイトより引用

 

この文章は観劇前にも目を通していて、「ほんほん対決ものね〜面白そう」と思っていたのですが。観終わったあとで、それまでさらっと読み流していた「ロックミュージカルで初共演! 」の部分が思っていたよりも重要だったことに気が付きました。(逆に対決要素はあんまなかった!グローリーズが思った以上に大人だったしキラジェネがいい子たちだった!)

じつはこの舞台、体感として3分の1くらいはドン・キホーテを主人公とした「見果てぬ夢のまた夢」という劇中劇のシーンで占められていて、その劇中劇の内容と、舞台そのものと、私たちが生きる現実の世界が同じメッセージを放つようにつくられた、わりかし複雑な構造の舞台だったのです。な、な、なんてこった〜〜〜

 

(そしてこの多重構造と「見果てぬ夢のまた夢」というタイトルからは、たぶんこの舞台のオマージュ元であろう舞台「ラ・マンチャの男」を思い浮かべずにはいられません。このブログではあんまり詳しく書きませんが、本家とあえて変えている部分や描かれなかった部分についても勝手にメッセージを受け取ってしまうので、参考までにネットで探してわかりやすかった シアターBRAVA!さんのあらすじ を貼っておきます)

 

 

なんとか理解しようとしてみる

 

そんなわけでブログでまとめるにはどーにもこーにも小難しくなってしまう!ので、苦肉の策に表などを持ち出してみました。ブログはこういう技が使えるのでモヤモヤ整理に向いていますね。わたしはなぜ舞台を見に行って表を書いているんだ…?(モヤモヤ…)

 主格

虚構の姿

本当の姿

共に夢を見る者

目を覚まさせようとする者

キホーテ

騎士

ただの老人

サンチョ、ロシナンテ

鏡の騎士(タクト、轟)

舞台「見果てぬ夢のまた夢」

上手くいっている舞台

ギリギリでなんとか上演できている舞台

スタッフ、キャスト

迫田

一真

アイドル

30歳で落ち目

裕次郎、大樹

進太郎

ボイメン

ナゴヤドーム満員アーティスト

ホールが良い感じに埋まるアーティスト

 

 

右下の2マスを空欄にしたのは、対象が多すぎて特定のキャラクターに落とし込めないことと、見る人によって思い浮かべる顔や属性が変わるだろうなと思ったからです。そしてどさくさに紛れてボイメン様がナゴヤドームアーティストであることを虚構の姿とか書いてしまって大変申し訳ありません!!満員じゃなかったってだけです!!(正直罪)

 

それはそうとして、表に並べた4つの物語は、ざっくり言うとそれぞれに「目を覚まさせようとする者」が「共に夢を見る者」へと変化する話の構造を持っています。表でいうといちばん右の列がひとつ隣に移動するイメージ。

物語の始めのうちは主役と対立関係にあったキャラクター、つまり一真にとっての進太郎は、最後のシーンで兄のアイドル活動を後押しします。同じように迫田さんは千鶴さんを女神だと認め、鏡の騎士は打ちひしがれたキホーテの背中を押す力となった。

 

ひるがえって現実のボイメンやフォーチュンエンターテインメントという諦めの悪い主人公を思い浮かべてみると、対立関係とはいわないまでも、彼らを懐疑的に見ている人たちやそんな夢は叶わないと言っている人たちはおそらく確かに存在しています。そういう人たちに対して、劇中で起こる幾ばくかの奇跡のように、諦めなければそういう人たちの心をも動かすことができるんだ、見果てぬ夢のその先に届く星があるんだ、という前向きな願いが、この舞台が伝えるひとつのメッセージだったのかなあという感想を抱きました。

 

 

 で、現実はというと

 

……という超解釈を、なんかうまいこと言った風の顔でドヤドヤと披露したまでは良いんですが、前述したようにこの舞台が上演された状況というのがかなり特殊でございました。そう、新型コロナウイルスによるイベント開催への影響です。

 

実際3/20の初日の時点では、都内の劇場さんのなかでも開催可否の判断がかなり分かれていました。緊急事態宣言が出されている4月の今から振り返って「3連休の気の緩み」等とも言われているちょうどその時期でしたが、当日その時点ではどちらを選択する人も一定の割合で存在していました。

その結果、客降り演出中止、コール中止、体温測定実施、マスク着用推奨のうえで上演されることになった舞台です。ステージから放たれる「幕を開けよう」「続けましょう」「何がなんでも中止にさせない」というセリフは、本来想定された以上の意味をもって客席のわれわれに突き刺さりました。

こうなってくると、ボイメンの夢がどうとかいう話(どうとかいう話とか言ってほんとうにすみません…)よりも、差し迫った「舞台を開催したい」という現実のほうが、物語との結びつきが強く浮かび上がってきます。

 

 主格

虚構の姿

本当の姿

共に夢を見る者

目を覚まさせようとする者

キホーテ

騎士

ただの老人

サンチョ、ロシナンテ

鏡の騎士(タクト、轟)

舞台「見果てぬ夢のまた夢」

上手くいっている舞台

ギリギリでなんとか上演できている舞台

スタッフ、キャスト

迫田

一真

アイドル

30歳で落ち目

裕次郎、大樹

進太郎

舞台「諦めが悪い男たち」

上手くいっている舞台

ギリギリでなんとか上演できている舞台

 

 

 
というわけで表の一番下の行を書き換えてみました。

この場合も右下の欄は見る人の立ち位置に委ねられることになるのですが、この解釈をあてはめた場合、右2列の境界は途端に曖昧になってきます。前述のように、当時舞台を上映するかしないかの判断は本当に難しいものだったので、舞台を観に行くこと、観に行かないこと、どちらにも正しさがあり、夢を見ることや、共に夢を見る人たちが必ずしも肯定される世界ではなかったからです。

 

そう考えると、例えば迫田さんが「君は女神」のソロパートで見せた苦味や、自ら鏡の騎士を名乗り、捨て台詞を残して舞台からいなくなった轟夢之助という愛すべきヒールの存在など、舞台上に少しずつ残された現実の要素を見逃すわけにはいかなくなってきます。

完璧ではない舞台を上演するのが良いのかわるいのか、夢を見ることが良いのかわるいのか、この舞台の客席に座るべきかどうかの正解は何なのか。そういう答えの出ない、もしかしたら本当は出ているのかもしれない問いに対して、それでも舞台上の主人公である一真だけはハッキリと「舞台をやらせて下さい」と主張します。それはフィクションであるからこそつらぬくことのできる強固なメッセージであり、混沌としたあの時期に、東京の、池袋のあの場所で、唯一その言葉を発信することができたのが今作の主人公である赤羽一真という人物でした。そして、それこそが虚構の、夢を見せる側の人たちの持つ力なのだと、この演劇を見ている自分はひれ伏すようにして思うのでした。

 

 

ボイメンが見せてくれるエンタメ

 

ちょっと話は変わりますが、ボイメンやフォーチュンエンターテイメントさんが我々に提供してくださっているのが、「完璧に作り上げられた夢」ではなくて「夢を見る行為それ自体」を見せるエンターテイメントであるというのは、ファンのなかでもわりと共通認識なのかな~と思っています。

この先の未来にどうなっていくのかはわかりませんが、すくなくとも今現在の彼らはまったく、夢の国の王子様ではないです。一流と呼ばれる他のアイドルさんや、アーティストさんや、劇団の皆さんが作り出す、技術に裏付けされた完璧な虚構とは程遠い、頑張っている人たちの頑張りと情熱がボイメンのステージを支えています。


 

ライブのスクリーンに歌詞が出たと喜び、セットがあることに驚き、トロッコができたとはしゃぎ、東京-名古屋間の移動がワゴン車から新幹線になったと報告し、自腹で差額を払ってグリーン車に乗ることを贅沢と呼ぶ人たちを、わたしたちは応援しています。

夢の国ではなくて、夢の国を見せるためにもがく人たちのエンターテイメント。誰かのつくった夢の世界を楽しむのではなくて、本当の姿も知りながら、葛藤しながら、夢と現実の差分をシビアに見据えながら、それでもやっぱり夢を見ることを肯定するお話が、わたしの見た「諦めが悪い男たち」という舞台であり、BOYS AND MENというエンターテイメントなのかなあというのがわたしの感想でした。 

 

劇中で、現実ではありえない荒唐無稽な方法で当面の問題が解決したときに、推しが主人公に向かって言う「“奇跡”が起きたな」というセリフが好きでした。起こらないから奇跡だし、そもそも奇跡に頼るようなモノづくりをしちゃだめなんだし、現実にトラブルか起こったら(ボイメンはまじで当日1人いないとかが起こる)ギャーーって言うけど〜〜〜 それはそうなんだけど、それでもボイメンが舞台をやると、「あの時期にあの物語を演じて、届けた」というような小さな奇跡が、やっぱりときどき起こるのです。

 

 

というわけで 

 そんな複雑怪奇快刀乱麻な全米号泣スペクタクルミュージカル・ショー「ボイメンステージ 諦めが悪い男たち~NEVER SAY NEVER 」ですが、なんと中止になった幻のブルー公演ライブ配信明日4/12までLINE LIVEにて購入できます!!!うわ〜〜〜〜見るしかない〜〜〜〜

  

 

結局宣伝かーーいってなっちゃったんですがせせせ宣伝目的で書き始めたわけではなく…そういえば期限明日だなと思って貼っております…定価8500円の舞台がカテコとか含めてまるまる3500円くらいで見られるのでご興味あったら見てみてください〜〜ロバがかわいいです。

 

人間が頑張っている姿を見て、元気になってほしいというのが、名古屋の町おこしお兄さんたちがわれわれに見せてくれる世界です。このご時世においても毎日のように配信やブログやTwitterで元気な姿を届けてくださっているフォーチュンエンターテイメントのタレントさん方に敬意を表して、そして二度目になりますが一日も早いウイルスの収束を願って、この記事を〆たいと思います。

週末はおうちで舞台を見ようぞ!!